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おせんち

悲しみと朝はつりあいとれなくて電車の窓から空を見上げた

こんな夜言葉を分解し続けてお気に入りだけ抱いておやすみ

瞳から零れる色に深い夜見る今度は夢で星を見つけに

泣くのならつめを隠した猫みたくしずかになでられながらそのまま

見つかってタバコの煙と3つ目の嘘だけど見抜いて君から抱いてよ

水溜りの中にうつる垂れた腕指先探してあたしずぶ濡れ

どしゃぶりの雨がなんつぶしみこめば写真を見なかった事にできるの

わかりやすいこい

あの時の言葉の意味も分からずに何故だか見とれてしまっていた

言わないでほんとうなのが何処までか澄ましていても月が暴くよ

ほしいとかしたいとかしたくないとか歌ならいいかな口に出せるかな

見つめても見つめてもまだ足りなくてでも触ってもきっと足りない

朝もやけ砂に指もじ泣きたいと書いたところで波にさらわれ

帰り道少ししゃがんで歌おうよねぇこないでときての間で

半分こ月もベッドもお喋りもカーテンの模様天体観測

薬指約束をする指切りは小指なのにね破って無くした

しょうじょのかけら

涙こらえてちょっぴりはみ出した分はケーキの甘さで誤魔化した

封筒に入れてそのまま持ち歩く夜に書いたらロマンチックで

こんなにも月が綺麗でつまんだらレモンの飴玉甘い満月

腰かけるおぼろ三日月いつまでも見つかるように隠れているの

Tシャツの裾を掴んで流れる景色瞬きする度現像できたら

偶然も奇跡も信じてしまうのスキップしたまま描く水平線

ふたりのきょり

とろとろの囁き声は誰のもの聞き間違えた言葉は秘密

ひとりでもおんなじ月をみてるなら赤い糸などさわって眠ろう

前髪のしずくの先をたどる君証拠は消せても空気は消せない

三つ編みを結う指見てるの知ってるよ薄いカーテン月が透けてる

美しいもうこんなにもそばにあるまつげの中に夕陽が沈む

吸い込まれる太陽のような眼差しがぐらり揺れたら動かぬ証拠

よるのみち


真っ暗なお空の星はいちにいさん目を瞑ったら降ってくるのよ

枯れぬ歌涙堪えて囁いた今夜の月はちょっと意地悪


花に酔い君の横顔に酔った春醒ましに歩いて冷える手のひら

心とか夜に溶けてくじーんじーん笑ってないで手をつないだら

月にジャンプ見つからないから叫んでる見つからないなら叫ぶしかない

いじわる

もっと噛み砕かなければ伝わらないの?舐めてるキャンディーなくなっちゃうよ

心にもないことをいうのね何故くちびるだけが浮わついている

潮風を微かに含む黒い髪君の眼差し知らぬふりする

ふれたいの知ってるくせに外れる視線ずっと待ってる「そばにおいでよ」

おもかげ

フラッシュバック居るはずのない青年の香り残して行き過ぎるひと

やまぬ雨眠くないから名前呼ぶ瞼の裏で走る足音

泣きそうだカフェラテの泡ぬぐう度涼しい君の笑顔がうかぶ

黒猫によく似た君は孤独な目黙っていても淋しくないの

人魚姫焦がれる恋など知らぬのにネグリジェの裾結んだあの日